
5月18日は「ことばの日」ですね。調べてみたら、平仮名ということに意味があると知り、そしてこの「ことばの日」を制定した方々の深い想いを感じ、勝手に知った気になって、この日を語ってはいけないような気がしています。もちろん、どの記念日もそうなんですが…。今回は記念日についての紹介文だけで終わってしまいそうな気がするので、この協会の説明を引用しますね。『「横浜みなとみらいBUKATSUDO連続講座 言葉の企画2019」の企画生らが制定。「ことば」を大切に使い、「ことば」によって人と人とが通じ合えることに感謝し、「ことば」で暮らしをより豊かにすることが目的。日付は言葉の「葉」が5月の新緑の瑞々しさを表しているとの思いと、5と18で「こ(5)と(10)ば(8)」と読む語呂合わせから。漢字の「言葉の日」ではなく、ひらがなの「ことばの日」としたのには手話や点字など広い意味での「ことば」を知ってもらいたいとの思いが込められている。(一般社団法人 日本記念日協会)』この2019年度の企画生の方々の記録を読むと、この日が制定された経緯を知ることができます。興味のある方はぜひ訪れてみてくださいね。
さて、睡眠の分野から絡めていくとするならば、ことば→言語→学ぶ→記憶する…ちょっと強引ですかね…。と、いうことで、今日は「記憶」について書き留めたいと思います。
目次
①睡眠は記憶を定着させる??
②記憶の種類
③睡眠で記憶は定着する?
④余談 実録!睡眠による記憶の定着
⑤テスト前の徹夜はデメリットも考えておこう
①睡眠は記憶を定着させる??

今から2000年以上も前に「弁論家の教育」などの著作で知られる古代ローマ帝国の修辞学者が、次のように書き残しています。「うまく繰り返すことが出来なかったことも、翌日には容易に出来るようになっている。睡眠という、一見健忘を引き起こすと思われているときこそ、記憶を強化しているのだ」この言葉を実感したことはありますか?
②記憶の種類

記憶の分類には様々ありますが、ここでは「内容に基づく」分類についてお伝えします。
⑴陳述記憶(宣言的記憶)
言葉で書いたり、話したり表現できる記憶のことを指し「宣言的記憶」とも呼ばれています。これには、単語や概念など、辞典のような知識の記憶を指す「意味記憶」と、昨日友達と食事に行った、など個人が経験した出来事の記憶を指す「エピソード記憶」があります。
⑵非陳述記憶(非宣言的記憶)
言葉として記したり話すことの出来ない、身体が覚えている技能や感情のことを指し「非宣言的記憶」とも呼ぼれています。これには、例えば自転車に乗る方法などの運動技能、楽器の演奏などの技能、繰り返し行って習得した、いわゆる「やり方」に関する記憶を指す「手続き記憶」と、パブロフの犬の実験のような特定のキューと情動が関係する「情動記憶」があります。両者とも言葉で説明しろと言われても難しいですよね。このような類の記憶が、非陳述(宣言的)記憶と言います。
③睡眠で記憶は定着する?

睡眠中に記憶内容が定着、強化されることは様々な研究で実証されてきました。といっても、陳述記憶は意識的な作業が必要となり、被験者自身のその日のコンディションや環境などが結果を左右してしまうため、研究には非陳述記憶を使われることが多いようです。
そんな中でも「単語の記憶」、陳述記憶分類の意味記憶を調べた研究者がいました。覚醒群と睡眠を経た群との比較だけでなく、脳波を測定しながら睡眠を段階別に誘導し、睡眠時のどの時期に記憶が処理されるのかを調べたそうです。睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠の二つの睡眠段階に分類されることは知っている方も多いと思いますが、さらにノンレム睡眠は睡眠の深さ(脳波の活動性)によってステージ1~4(浅い→深い)の4段階に分けられます。割合としてはおおよそノンレム75%:レム25%。ノンレム睡眠60~80分にわたり出現→レム睡眠が10~30分ほど続く。これが1つの睡眠周期。この90分の睡眠周期が4~5回くり返されて6~8時間という一晩の睡眠となります。睡眠後半に進むにつれてノンレム睡眠の持続は短くなり、脳波上徐波の出現は減少します。この「単語の記憶」の研究では、ノンレムのステージ3、4の段階、脳波上「徐波睡眠」の時期に記憶が再処理されたと結論づけました。前述した一晩の睡眠サイクルを考えると、「単語の記憶」は睡眠前半に定着する、ということですね。とはいっても「記憶と睡眠」の関係性についてはまだまだ明らかになっていないことも多く、今後も研究が進められていく分野と言えます。
非陳述記憶分類の手続き記憶の研究も多くされていますが、今回は「ことば」からつながった「記憶」がテーマだったので、陳述記憶のことだけに留めておきますね。毎回ついつい長くなり、読みにくい文章になってしまい、反省しています…。また「手続き記憶」の定着のお話もどこかで書けたらいいなと思っています。
④余談 実録!睡眠による記憶の定着

実は、手続き記憶であれば、睡眠による定着の経験、あります。最初の経験は20代の頃。私は春先に生まれてくる子供のために毛糸のおくるみを作ることを思いつきました。かぎ針でコースターぐらいの大きさの正方形のモチーフを何十枚と作り、それを継ぎ合わせて作るおくるみです。このモチーフ作り、いろんなパターンがあって、私はデザイン重視で決めてしまったために、完全に自分の技量を超えたレベルのモチーフを選択。元々お裁縫は得意ではありません…。そのモチーフのパターンは本当に複雑(レベル1の私からみればですが)で、編んではまちがい、編んではまちがい、その度にやり直し。10枚目ぐらいになっても、まだ本を見ながらじゃないとできない状態でした。15枚目ぐらいになって、ようやく一生懸命集中して考えながらであれば、本を見なくても編める程度に。「寝たら忘れちゃう~!」と後ろ髪を引かれながら就寝。翌日「よし、やるぞ!」と気合入れて始めてみたところ、スイスイ編めてしまったんです!その時は、まだ睡眠による記憶の定着について学んではいなかったので、「あらやだ!私ってばスゴーイ」と自画自賛してしまいましたが、自然の摂理でした…。実はその経験がおもしろかったので、その後また違うモチーフで試してみたんですが、ある程度の学習が終わってないと、睡眠では定着されないことも実体験しました。その学習がどの程度まで必要なのか、今、研究結果などを調べているところです。わかったら、またお知らせしますね。知ってるよ!という方いらっしゃったら、ぜひ教えてください。
⑤テスト前の徹夜はデメリットも考えておこう

テスト前日、睡眠時間をカツカツに減らした経験、私もあります。ですが、この事を知ると、眠りをはさまないと、と思いますよね。「単語の記憶」は睡眠前半に生じるステージで処理されていましたが、学習には非陳述記憶分類に当てはまるような、パターン認知能力が必要なものもあるでしょう。その記憶はレム睡眠でも再生、強化されます。十分な時間の睡眠をとることでのメリットはやはり大きいということです。でも、どうしてもそんなに夜寝てられない、という日もあると思います。そんな時は仮眠をうまく活用しましょう。完徹は百害あって一利なしです。仮眠時間は諸説ありますね、深い睡眠に入る前までを想定して20分以内、ノンレム、レムを1サイクルの90分、などなど。人は自然に眠くなる時間もあります。夜間以外にも14~15時頃は覚醒度は下がります。どの時間帯の仮眠なのか、ということもやはり関係してきます。自身に合った仮眠時間を探してみましょう。また日頃から、寝る前のリラックス状態を早く作れるよう、自分なりの儀式的な習慣を身に着けておくと仮眠も使いやすいと思います。いろいろな方法を試してみてくださいね。それでは、また。