マッサージ、ストレッチ、筋トレをしても腰痛が戻る方へ。長野市の理学療法士が考える「複数の要素」という視点

マッサージ、ストレッチ、筋トレをしても腰痛が戻る方へ。長野市の理学療法士が考える「複数の要素」という視点

こんなお悩み、ありませんか?

マッサージに行った日は軽い。でも、数日でまた同じ場所が重くなる。
ストレッチを続けているのに、腰の重さは変わらない。
筋力トレーニングを始めてみたけれど、思うような変化を感じられない。

こんなお悩み、ありませんか?

  • マッサージやストレッチで楽になっても、数日で戻ってしまう
  • 筋力トレーニングを続けているが、日常生活での困りごとは残っている
  • いろいろ試してきたが、結局どれも「一時的」で終わっている
  • もう何年も、同じ腰痛とつき合っている

この記事を読むと、次の3つがわかります。

  • マッサージ・ストレッチ・筋力トレーニングを続けても、腰痛が戻る人がいるのはなぜか
  • 腰痛には、身体の使い方だけでなく、どのような要素が関係しうるのか
  • Tukipisteが、腰痛をどのように確認していくか

先にお伝えしておきたいのは、これまで試してきたマッサージ・ストレッチ・筋力トレーニングが「間違っていた」ということではありません。

それぞれの方法は、腰痛に対して役立つことのある方法です。

ただ、腰痛にはいくつかの要素が関係することがあるため、どれか一つを続けるだけでは、日常生活での困りごとまで十分に変わらない場合があります。

腰痛には、複数の要素が関係することがあります

腰痛には複数の要素が関係することがあります
腰痛には、身体的・器質的要因、動作要因、心理社会的要因が複数関係することがあります。

腰痛診療ガイドライン2019(日本整形外科学会・日本腰痛学会監修)や、WHOが2023年に公表した慢性一次性腰痛に関するガイドラインでは、腰痛を単一の原因で説明せず、複数の要素が関係しうるものとして扱っています。

一般的に、次のような要素が関係することがあると言われています。

① 身体的・器質的要因

筋肉、関節、椎間板、神経などの状態です。外傷、炎症、骨折、感染症、腫瘍など、医療機関での確認が必要な問題が背景にある場合もあります。年齢や既往歴、身体にかかっている負荷も関係します。

② 動作・身体の使い方に関する要因

腰、骨盤、股関節、胸郭などの動き方、動作中の力の入り方、重心移動などです。同じ姿勢や動作が長く続く生活・仕事環境、運動量や活動量の変化も関係することがあります。

③ 心理社会的要因

痛みに対する不安や恐怖、ストレス、睡眠の状態、仕事や家庭での負担、痛みに対する考え方や過去の経験なども関係することがあります。

これらは別々に存在するとは限らず、複数の要素が相互に影響し合っていることが多いとされています。

なお、心理社会的要因が関係することは、痛みが気のせいだという意味ではありません。

痛みは実際の体験であり、睡眠、ストレス、不安、生活環境なども、身体の緊張や活動量、痛みの感じ方に影響する可能性がある、という意味です。

本人の性格や意思、努力不足として説明できるものではありません。

大切なのは、すべての人に同じ方法を当てはめることではなく、その方の腰痛にどの要素がどの程度関係しているのかを整理し、優先するアプローチを考えることです。

マッサージ・ストレッチ・筋力トレーニング、それぞれどう捉えるか

マッサージ・ストレッチ・筋力トレーニング、それぞれどう捉えるか
マッサージ・ストレッチ・運動、それぞれに役立つ場面があります。

マッサージ

痛みや緊張感がその場で軽く感じられたり、リラックスして動き始めるきっかけになったりすることがあります。

ただし、その場の変化と、日常生活で腰に負担がかかりにくくなることは、分けて考える必要があります。

身体の使い方や生活環境などが関係している場合、マッサージだけでは変化が持続しないことがあります。

ストレッチ

動きにくさや筋肉の緊張感に対して役立つ場合があります。

ただし、動かし方や負荷のかかり方、睡眠、生活環境などが関係している場合、柔軟性だけに働きかけても十分でないことがあります。

「身体が硬いこと=腰痛の原因」と一律に言えるものではありません。

筋力トレーニング・運動

腰痛に対して役立つ可能性のある重要な選択肢です。

ガイドラインでも、活動性を保つことや運動療法の有用性が扱われています。

ただし、筋力不足だけが腰痛の原因とは限らず、筋力があっても、動作中の力の配分や負荷量が合っていない場合があります。

その方の状態や生活に合わせた運動内容と負荷設定が必要です。

なお、急性期や器質的な問題が疑われる場合には、運動よりも医療的な確認を優先することがあります。

Tukipisteは、腰痛をどのように確認するか

Tukipisteは、理学療法士(体の専門職として国家資格を持つリハビリの専門家)が運営するコンディショニングラボです。

当ラボの理学療法士は、整形外科分野での臨床(10年・20年)を土台にしながら、脳神経科学・分子栄養学・トップアスリート(五輪レベル)のコンディショニングまで学びを重ねてきました。

Tukipisteでは、腰だけを見るのではなく、身体の状態、骨盤・股関節・胸郭などの動き、動作中の力の入り方、普段の生活や仕事の状況などを確認します。そのうえで、どの要素の影響が大きい可能性があるのかを一緒に整理し、施術や運動などの優先順位を考えます。

骨盤・股関節・体幹を含めた動作の確認の様子(イメージ)
骨盤・股関節・体幹を含めた動作の確認の様子(イメージ)

動作・身体の使い方については、次の3つの視点から確認しています。

● 神経・運動制御

体に「いつ・どれくらい力を入れるか」を指示する仕組み。
重心を移動させるとき、無意識に腰だけで支えようとしていないか。

● 動きのクセ(身体操作)

普段、無意識にどう体を使っているか。
本来は骨盤や胸郭が担うはずの動きを、腰が引き受けていないか。

● 身体機能

関節の動く範囲や、筋肉・組織の硬さといった状態。

あわせて、睡眠や休息の状態、痛みに対する不安や活動量の変化、仕事や生活で身体にかかっている負担なども確認します。

ただし、Tukipisteが心理療法や精神科的な治療を行うわけではありません。

必要に応じて、適切な医療機関や専門職への相談をご案内します。

今日からできる、ひとつの”気づき”

腰痛は人によって関係している要素が違うため、この記事で「これをすれば良くなります」とはお伝えしません。

そのかわり、ご自身の体に気づくための、ひとつの小さな視点をご紹介します。

椅子に座っているとき、ふと自分の骨盤が”前に傾いているか、後ろに傾いているか”を確認してみてください。

長野で当店にご相談いただく方の傾向として、立ち仕事の方は骨盤が前に傾いたまま固定されやすく、デスクワークの方は後ろに傾いたまま固定されやすい印象がありますが、これは一つの目安に過ぎません。

大事なのは「直すこと」よりも、自分がどんな場面で腰に負担をかけているか、そのクセに気づくことです。

こんな症状があるときは、医療機関へのご相談を

腰痛のすべてを施術や運動で対応できるわけではありません。

次のような症状がある場合は、セルフケアを続けるのではなく、医療機関にご相談ください。

  • 強い外傷のあとに起きた痛み
  • 発熱や、原因のわからない体重減少をともなう
  • 安静にしていても強い痛みが続く
  • 脚の強いしびれや、力が入りにくい感じがある
  • 排尿・排便がしづらい、または感覚がおかしい
  • 会陰部(陰部まわり)の感覚がおかしい
  • 症状が急速に悪化している

これらは、医療機関での確認が必要なサインです。

気になる場合は、まず医療機関にご相談ください。

まとめ:一つの方法に決めつけず、一緒に整理する

もし、これまでマッサージ・ストレッチ・筋力トレーニングを試しても戻ってしまっていたなら、それは今までの方法が間違っていたわけでも、あなたの努力不足でも、メンタルが弱いからでもありません。

まだ確認できていない別の要素が関係しているのかもしれない、というだけです。

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※本記事は一般的な健康情報をお伝えするもので、特定の症状の治療や効果を保証するものではありません。私たちはコンディショニングの専門であり、病気の診断・治療を行う立場ではありません。気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

参考文献・参考情報
● 日本整形外科学会・日本腰痛学会(監修).腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版).南江堂,2019年5月.(Mindsガイドラインライブラリ掲載)
https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00498/

● World Health Organization. WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults in
primary and community care settings. Geneva: World Health Organization; 2023.
https://www.who.int/publications/i/item/9789240081789
● 厚生労働省 e-ヘルスネット(kennet.mhlw.go.jp)

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