腰痛予防のカギは呼吸にあり!横隔膜を使った正しい呼吸法

1. 腰痛と呼吸の関係
ある研究によると、腰痛持ちの患者さんは「横隔膜」という呼吸に関わる筋肉の動きが乏しいという報告があります。身体の真ん中にある胸郭と骨盤をつなぐ空洞を「体幹」と考えた時、体幹の上の蓋は「横隔膜」、下の蓋は「骨盤底筋」、後方から前面を覆っているのは「腹横筋」、後方の柱は「多裂筋」という筋肉で囲まれていることになります。これらは協調して動くユニットであり、どこが働かなくなっていても、いわゆる「体幹の弱さ」に直結し、ひいては腰痛の原因になってしまいます。今回はその原因の1つになる「横隔膜」について考えてみましょう。


2. 横隔膜を活用した呼吸法で腰痛を予防しよう
呼吸を深くするためには、横隔膜周りの筋肉をほぐすことは重要です。
 • 側腹部をのばす:菱形ストレッチ
 • 背骨全体を動かし胸郭の柔軟性をあげる:キャット&カウのポーズ
※どちらも縮めているところを意識して息を吐き切ります


3. 呼吸トレーニングの実践方法
ステップ1:「明日のジョー」のポジションで呼吸
 1. 椅子に座り、肘をももに置き背中を丸める
 2. 脇腹、背中に空気を入れるように呼吸する
 3. おなかが膨らんでしまう場合は、おなかを机などで抑え膨らまないようにする
ステップ2: うつ伏せワニ呼吸
 1. うつぶせになり、おなかが床にあたる状態にする
 2. 頭はどちらをむいてもOK できるだけ楽な姿勢で。
 3. 脇腹、背中に空気を入れるように呼吸する
ステップ3:上記2つを習慣化する
 • 朝起きたときや寝る前に5分間練習。
 • 長時間のデスクワーク中にも意識して取り入れてください。


4. 呼吸が深くなることで得られる腰痛予防以上のメリット
(1) 自律神経のバランス改善
呼吸が深く安定することで、副交感神経が優位になり心拍数や血圧が安定、これにより、ストレスが軽減し、リラックス状態を促進します。

(2) 酸素供給の最適化
呼吸が深く安定していると、酸素が効率的に全身の細胞へ供給されます。脳幹を含む脳全体の酸素供給が向上し、集中力や思考力が向上し、疲労感が減少します。

(3) 情動の安定
呼吸が乱れると扁桃体(情動を制御する脳の部位)が活発化し、不安や恐怖が高まります。深い呼吸はこれを抑え、心を落ち着けます。

(4) 睡眠の質向上
呼吸が安定することで、眠りが深くなり、質の高い休息が得られます。

腰痛を予防できるだけでなく、これだけのメリットがある「呼吸トレーニング」。取り入れやすいケアですので、ぜひ今日からスタートしてみましょう。トレーニングの方法などを詳しく知りたい方はぜひお問い合わせください。

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