今月から1年スパンのセミナー受講が始まりました。理学療法士になり、今までにもたくさんのセミナーを受けてきました。施術系からトレーニング系、睡眠から脳科学系、教育キネシオロジーまでありとあらゆるもの。もちろん学ぶたびに効果を出せるようになるものの、なにか足りない、答えが見つからない、目の前の方の不調を根本から改善できないことに悩み、セミナージプシーと化してきました。
今回のセミナーの内容は、学んできた様々な事を、点と点をつなぐように結び合わせてくれたように腑に落ち、すぐに受講を決めました。つながるのは当たり前でした。人の身体に起こることは全て脳が発信源。そこを深めることが今回のミッションです。1年かけて学んでいきますので、ここでも少しずつ毎回学んだことを共有していきたいと思います。
<第1回講座を終えて>
子供の体力、運動能力の低下、青壮年の生活習慣病に肥満の増加、高齢者の医療費高騰など、これらの社会的課題に取り組むため、昨今では競技やレクリエーションとしての運動だけでなく、健康増進を目的としたスポーツ、身体運動の実践が必要であり、それを提供できる人材の育成が求められています。
では、どのような身体運動が必要なのでしょうか。
立ち上がる、歩く、しゃがむ…正しい動きとはどのようなものなのでしょうか。
2000年代に入ると、陸上競技選手を中心にインナーマッスルトレーニングが注目され、身体の芯部の筋を使うことにより、強いパワーを発揮し、末端をすばやく動かすことができることがわかってきました。中でも「大腰筋」に対する研究は進み、一流選手の腹部のMRI画像から大腰筋の太さを測った研究では100m走の記録との相関があり、記録の速い選手ほど優位に大腰筋の発達がみられた、という結果が出ました。
また別の研究では、体の芯部を動かすことから得られるもう1つの大きな効果が証明されました。東大の小林寛道教授が行った研究では通常歩行をしている状態と、体幹深層筋を使用する認知動作型トレーニングマシンでの運動とを脳の血流量で比較した際、後者の深層筋を使った運動の方が脳内の酸素量が増え、身体のリラックス状態が得られることがわかりました。
では、目に見えない「不随筋」であるインナーマッスル、どのようにトレーニングしていくのが効果的なのでしょうか。
今回のセミナーでは、脊椎、肩甲骨、骨盤を使った深層筋を有効活用できる動作を脳が学習するアプローチを学んでいきます。
この運動療法の特徴は「神経を鍛えること」「脳と身体をつなぐこと」。
それにより、動作の質が向上するだけでなく、すべての動作の前提なる「無駄な緊張が抜けた適度な脱力状態」を作ることができます。
まずは「0」の状態を作る。
そのためにできること、これからどんどんこちらで公開していきます。